韓国女子大生殺人事件の真相が知りたい!犯人のセレブ夫人はユンギルジャ?
2022年4月9日放送の『世界法廷ミステリー』では、韓国で起きた女子大生殺害事件が取り上げられました。
韓国セレブ夫人が殺人指示で逮捕!なぜ女子大生を…政略結婚・渦巻く愛憎劇の行方は?
▽韓国で女子大学生が銃弾6発を浴び殺害された。逮捕されたのは、なんと財閥の会長夫人だった!いったいなぜ?スタジオは、容疑者の夫人に関わるさまざまなキャラクターを疑い、推理を始める。女子大生は、なぜ彼女の恨みを買うことになってしまったのか。政略結婚、不倫、買収劇…韓国が震かんした、衝撃の事件。最初は夫人の逮捕で解決したかのように見えたのだが、信じられない展開が待っていた。愛憎渦巻く韓国社会の闇とは?
番組HPより
財閥会長夫人が逮捕されたというこの韓国女子大生(ハジヘ)殺人事件の真相を結末までまとめていきます。
もくじ
【世界法廷ミステリー】韓国女子大生殺害事件ネタバレ!犯人はユンギルジャ
もっと!コリアより
事件が起きたのは2002年。日本では「女子大生請負殺人事件」と呼ばれています。
事件発生
梨花女子大学法科大学に通っていたハ・ジヘさんは「午前5時30分頃、プールに行く」と言って家を出た後、連絡が途絶えました。
警察は初め事件として扱いませんでしたが、ハ・ジヘさんの父親が噂を頼りに娘が拉致されるCCTVの映像を見つけたことで警察も動き始めました。
10日後、ハ・ジヘさんは京畿道河南市の山で無残な姿で発見されます。
頭と顔面に6発の銃傷があり、解剖の結果片方の腕だけで3か所の骨折が見つかりました。
遺体発見直後、一部のメディアでは無差別殺人だと報じられましたが、娘の周辺に怪しい人物がいたというハ・ジヘさんの父親の証言とこれを裏付ける証拠から計画的な殺人事件として捜査されることに。
逮捕されたのは嶺南製粉会長夫人のユン・キルジャ(当時58歳)でした。
事件の背景
事件の発端は1999年に嶺南製粉会長宅にかかってきた1本の電話。
それは、娘婿がそのいとこである女子大生(=ハ・ジヘさん)と不倫関係にあるという密告でした。
ハ・ジヘさんのいとこは司法試験に合格し判事として働いていました。
彼は現金7億ウォンとマンション、自動車を受け取る、いわゆる「契約結婚」で嶺南製粉の娘婿となりました。
彼は契約結婚が実現した後、受け取ったお金の10%を謝礼金として渡す慣行を無視しており、これに恨みを抱いた仲人がキム判事が不倫をしていると伝えたのです。
夫の頻繁な不倫により被害妄想が激しかった会長夫人は、2年間にわたり25人を使って女子大生を尾行させました。
ハ・ジヘさんと娘婿が同じ建物に入る写真を撮ってくれば3億ウォンをあげると懸賞金までかけました。
しかし、司法試験の勉強に熱心だったハ・ジヘさんは家・学校・図書館を行き来するのみの生活で、尾行の成果はありませんでした。
その後ユン・ギルジャはハ・ジヘさんの家に電話をかけ「娘をしっかり管理してほしい」と怒りをあらわにしました。
このことからハ・ジヘさんの一家はユン・ギルジャを告訴し、ユン・ギルジャと尾行人に対する接近禁止命令も下されました。
そして2002年、訴訟で負け気が狂ったユン・ギルジャはついに自分の運転手をしていた甥のユン・ナムシンに対して女子大生ハ・ジヘさんの殺害を命令。
一人で仕事をするのが怖かったユン・ナムシンは高校時代の同級生である消費者金融業者のキム・ヨンギを引き入れました。
2人はハ・ジヘさんを1ヶ月間尾行して動線を突き止めた後、拉致して殺害。
ハ・ジヘさんが死んだことを確認したユン・ギルジャは「ユン・ナムシンとキム・ヨンギを中国に出国させ、越北せよ」と指示し、キム・ヨンギの要求で整形手術の費用までまかないます。
犯人逮捕と判決
事件発生から1か月が過ぎた後、警察はユン・ギルジャが殺人を教唆したと確信するようになりました。
しかし実行犯が外国に逃げた上、特にユン・ギルジャを追及する方法がなく捜査は難航。
それを打破したのはハ・ジヘさんの父親でした。
彼は犯人が逃亡していたベトナムに直接行き現地の警察や現地在住の韓国人社会、インターポールに捜査を要請し私費をはたいて懸賞金までかけました。
その結果、ユン・ナムシンとキム・ヨンギを逮捕し韓国に強制連行することに成功。
ユン・ナムシンとキム・ヨンギは韓国の警察に引き渡された後、素直に自白したといいます。
2003年に実行犯である甥は懲役20年、会長夫人ユン・ギルジャは無期懲役刑を言い渡されました。
その後の控訴審でも会長夫人に対する判決は覆らず、ユン・ギルジャは大田刑務所に収監されました。
その後
しかし、数年後に韓国のテレビ番組で、無期懲役であるはずの会長夫人ユン・ギルジャがたびたび健康問題を理由に検察の「刑執行停止」処分を受け、外出までしている事実が明らかにされました。
本来、健康問題を理由に病院へ移る場合は、刑務所の近隣の病院へ移送されることが多いものの、ユン・ギルジャが入院していたのは、ソウル市のセブランス病院。
ユン・ギルジャがセブランス病院の医師に虚偽の診断書を作成させVIPルームでの入院生活を送っていると報道され、最終的にこの医師も有罪判決を受けています。
韓国では昔から「유전무죄 무전유죄(有銭無罪 無銭有罪。金の有る者は法で裁かれず、金の無いものは重罰を科される)」という言葉があり、この事件は韓国社会を象徴していると言われています。
インターネット上では嶺南製粉を糾弾するコミュニティーが作られ、嶺南製粉が原料を提供している製品の不買運動にまで発展。
これらを受けて、嶺南製粉の株価は継続的に下落。約1,000人の従業員を抱える嶺南製粉は窮地に立たされました。