世界仰天ニュースの神谷力の毒殺事件の真相が気になる！
6月22日（火）21:00から放送の『ザ！世界仰天ニュース』では、神谷力が起こしたトリカブト保険金殺人事件が取り上げられます。
衝撃の毒殺男 1時間40分の謎
結婚したばかりの夫婦と妻の友人が沖縄旅行へ。夫は仕事の都合で1人大阪に戻った。旅行を続けていた妻だったが事態は急変。突然具合が悪くなり、搬送先の病院で死亡した。解剖を依頼された医師がある違和感を覚え、血液を保存していた。実は解剖結果を伝えた時の夫の様子が、結婚したばかりなのにやけに冷静だったことや妻を3人亡くしているなど、不可解な言動が明らかとなっていく。そして残された血液から、なんと毒が検出された！しかし妻が夫と別れて死亡するまでには1時間40分経っていた。そんなに長い時間変化が起きない毒や薬は、専門家でも思いつかなかった。一体どんな手口で妻は殺害されたのか、疑惑の夫は犯人なのか？そして1時間40分のトリックの真相とは！番組HPより
神谷力が使った1時間40分のトリックの真相のネタバレをまとめていきます！
同番組で特集された別の事件についてもまとめています↓
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もくじ
【世界仰天ニュース】神谷力の毒殺事件の真相は？1時間40分のトリックネタバレ
以下が神谷力の起こした毒殺事件の詳細です。
事件発生
1986年5月19日、神谷力と妻は沖縄旅行にやって来た。
翌日、夫妻に誘われた妻のホステス時代の友人3人も那覇空港で2人に合流。
11時40分、神谷は急用を思い出したと言って大阪の自宅へ帰宅することになり、那覇空港に残った。
妻と友人3人は、予定通り石垣空港行の飛行機に乗り、正午過ぎに石垣島へ到着。
石垣島のホテルに到着しチェックインをしたが、突然妻が大量の発汗・悪寒・手足麻痺で苦しみだしたため、救急車で八重山病院へ搬送された。
妻の容体は急速に悪化して救急車内で心肺停止となり、病院に到着するも15時4分に死亡した。
司法解剖
沖縄県警察は那覇空港から急遽石垣島に来た神谷の承諾のもと、行政解剖を行うことに。
この解剖を担当したのが、当時琉球大学医学部法医学教室助教授の後任だった大野曜吉（現・日本医科大学名誉教授）だった。
大野は当初、死因を急性心筋梗塞と診断したが、疑念を抱いていた。
心臓の一部に小さなうっ血を発見するも、内臓には病的な異変のない状態であり、急死につながる明らかな異常がなかったためだ。
不審に思った大野は毒物による中毒死を疑い、妻の心臓と通常より多い30ccの血液を保存し、薬毒物検査を始めた。
被疑者
妻の友人の多くが、夫である神谷が怪しいと警察やマスコミに訴え掛けた。
神谷が妻に大量の金品を送り、出会ってからわずか6日目でプロポーズをしたことや、職業を公認会計士と言っていたのにも関わらず、公認会計士名簿に神谷の名前が記載されていないことなどを疑ったのだ。
神谷は、事件が発生するまでの過去5年間の間に事件の被害者となった女性を含め3人の妻を亡くしていた。
1人目の看護師とは、1965年に結婚。1971年には、同じ会社の経理課の女性上司と出会い、10年の間密かに愛人関係を続けた。
1人目の妻は1981年に心筋梗塞のため38歳で死亡する。
その後、愛人関係であった女性と同棲を始め、結婚。
1985年、2人目の妻が急性心不全で死亡すると、今度は池袋のクラブでホステスとして働いていた女性と結婚した。
前妻の死から1ヶ月で交際を始め、4ヶ月後には結婚したのだ。
保険金目当て？
神谷は2番目の妻と結婚した際、神谷が受取人の1,000万円の保険をかけていた。
また、事件の被害者となった妻は神谷が受取人である複数の生命保険に加入しており、その金額は4社で合計1億8,500万円にものぼった。
これらの生命保険の掛金は月々18万円。
妻は亡くなる20日前にこれらの保険に加入し、掛金は1度しか支払わないなど、保険の加入方法に不審な点が判明。
保険会社は、妻が以前神経系の病気で通院歴があったにも関わらず、それを契約のときに通知しなかった告知義務違反を理由に支払いを保留したため、神谷は保険金の支払いを求めて民事訴訟を起こした。
一審の東京地裁は、告知義務違反は無かったとして、神谷が勝訴した。
ところが、保険会社が控訴した二審で、妻を検死した大野が妻の死因が毒物による可能性があると証言したことから、神谷は訴訟を取り下げた。
逮捕
1991年6月9日、警視庁は神谷を別の横領事件で逮捕した。
その捜査の過程で、5年前の妻の死が保険金目当ての殺人であった可能性が浮上し、7月1日に警視庁は殺人と詐欺未遂で再逮捕。
事件から5年が経っていたということもあり、証拠はないものと思われていたが、解剖を担当した大野が犯行に使われた毒がトリカブト毒（アコニチン）であったということを突き止めていた。
保存していた心臓や血液を東北大学や琉球大学で分析した結果、トリカブト毒が検出され、妻が毒殺されたのは確実なものとなった。
その後、神谷にトリカブトを69鉢売ったという花屋が現れたこと、神谷が借りていたアパートの大家から水道・電気料金が異常に高い月があったという証言を受け警察が部屋を捜査した結果、畳からトリカブト毒が検出された。
さらに、神谷にクサフグを1,000匹以上売ったという漁師が現れたことから、警視庁は琉球大学に保存されていた妻の血液を改めて調べた。
すると、フグ毒（テトロドトキシン）が検出された。
裁判
裁判では、神谷がいつどのようにして妻に毒を飲ませたかが焦点となった。
検察は神谷の自宅から実験器具を押収していた。
検察側は生前の妻がサプリメントのカプセルを飲んでいたことから、大量に購入したトリカブトとクサフグから自宅でアコニチンとテトロドトキシンを抽出し、その毒を入れたカプセルで毒殺したと主張。
殺害の動機として、神谷が消費者金融から借金をしていたことを挙げ、借金返済のために保険金殺人を計画したとし、妻とのスピード結婚も保険金目的であったとした。
神谷が1981年頃からトリカブトやフグを購入していたことから、急死した前妻も毒殺された可能性を指摘した。
これに対して、神谷はトリカブトは観賞用のために、フグは食品会社を起業するために購入したと反論。
さらに、アコニチンが即効性のある毒であり、妻が苦しみだしたのは神谷と別れて1時間40分後だったためアリバイがあると主張した。
再反論のために、検察は千葉大学に検証を依頼したが、カプセルを二重三重にしても5分から10分程度しか遅らせられない事が判明し、神谷の主張が正しいかに思われた。
ところが、妻の血液を分析していた大野が、アコニチンとテトロドトキシンの配合を調節することで互いの効力を弱めることができると証言した。
アコニチンはNa+チャネルを活性化させ、テトロドトキシンはNa+チャネルを不活化させるが、この2つを同時に服用するとアコニチンの中毒作用が抑制される、拮抗作用が起こることが判明したのだ。
そしてテトロドトキシンの半減期（毒物の血中濃度が半分になるまでの時間）がアコニチンよりも短いため、拮抗作用が崩れたときに、アコニチンによって死に至る。
これにより、神谷が妻を毒殺することが可能となった。
神谷はアパートに大学でも用いられる機材を導入し、マウスを用いて実験を繰り返した末、犯行に使用された毒薬を生成していたのである。
判決
1994年、東京地裁は神谷に対し、求刑通り無期懲役の判決を下した。
神谷は控訴したが二審の東京高裁も一審判決を支持し、神谷は最高裁に上告。
2000年2月21日、最高裁が神谷の上告を棄却したため、神谷の無期懲役が確定した。
神谷は公判中から無実を訴え続け、2冊の本を執筆した。
2012年11月、神谷は73歳で大阪医療刑務所にて病死した。
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