世紀の悪女ビクトリアの事件が気になる!
2020年2月15日(土)21:00~『目撃!超逆転スクープ5 殺人者の微笑み』が放送されます!
今回は、
- 13歳少女vs謎の殺人鬼…夫婦惨殺は恐怖の少女誘拐事件の始まり…地獄の監禁88日世紀の
- 悪女vs母を殺された娘…毒殺、誘惑、国際指名手配…追跡900日
の2本立て!
本記事では、②の事件について現地の報道からまとめていきたいと思います。
■海を越えて逃亡した「世紀の悪女」!母を殺された娘…2年半執念の追跡
ニューヨーク在住のロシア人女性・ナディアは、ロシアに住む母親の隣家にビクトリアと名乗る美女が引っ越してきてから、母親と連絡が取れなくなった。心配してロシアに帰国すると、家に母親の姿はなく、隠し財産も消えていた。さらに防犯カメラの映像をきっかけに、ビクトリアが母親を殺していたことが発覚。ナディアは、捜査官を誘惑して国外へ逃亡した悪女・ビクトリアを探し出せるのか?番組HPより
①の事件についてはこちら↓
監禁88日間の記録!アメリカの13歳少女ジェイミーに起きた恐怖の実話
もくじ
世紀の悪女ビクトリアの事件とは?
「世紀の悪女」ビクトリア・ナシロワ(ビクトリアナシロワ/ヴィクトリア・ナシロワ)とはどんな人物なのか?母親を殺されたナディアの追跡劇とは?
アメリカのCBSニュース製作のドキュメンタリー番組『48 Hours』でも取り上げられたこの事件について時系列順にまとめました。
事件の発生と発覚
48Hoursより
ロシア出身でニューヨークブルックリンに住むナディア・フォードは、2007年に初めて勉学のためにアメリカに渡った。
黒海近くにある故郷のクラスノダールには、母アラ・アレクセンコが暮らしていた。
ナディアは母と電話で頻繁に連絡を取り合っていた。
2014年の秋頃、ナディアは母親の新しい親友であるビクトリアという女性についてよく話を聞くようになっていた。
ビクトリアはアラの隣に引っ越してきた人物。アラとは不釣り合いの派手な女性だった。
48Hoursより
ビクトリアはニューヨークに行くことを計画していて、母アラから娘ナディアへのプレゼント(現金6,100ドルとミンクのコート)を届けることになっていた。
しかし、ビクトリアはお金とコートを預かったままニューヨーク旅行には行かなかった。
その後、2014年10月4日土曜日、アラはナディアに「ビクトリアがお金とコートを返すことに同意した」と言った。
しかし、翌10月5日の朝、ナディアは母と連絡がつかなくなってしまった。
ナディアが親元を離れてから8年間、母アラが電話に出なくなるということは一度もなかったため、ナディアは不安になり何度も何度も電話をかけた。
それでもつながらなかったので、ナディアはビクトリアに電話をし、母の所在を確認した。
ナディアの答えは「アラは友人と旅行中だから、旅先で電話が使えなくなったのでは?」というものだった。
その言葉を信じなかったナディアは母親の通話記録を調べ、最後にアラに電話したのがビクトリアだったことを知る。
ナディアはすぐに空港に向かいロシアに飛び、母のアパートの前にビクトリアを呼び出した。
ナディアはビクトリアに抱きつき、「母がどこにいるのか教えないならこのまま窒息死させる」と言ったが、ビクトリアはナディアを押しのけ「あなたの母親は生きている!」と叫んだ。
母の家からは家宝や高価な宝石がすべて消えていて、隠し財産の50,000ドルもなくなっていた。
財産の隠し場所を知っていたのは、親友のビクトリア以外に考えられない。
クローゼットの中には、アラがナディアに残したと思われるメッセージ「お金」という意味のロシア語「DENGI」と書かれていた。
しかし、現地の警察はまともに取り合ってくれず、ナディアに「母親を探しているクレイジーなアメリカ人の娘」というニックネームをつけた。
防犯カメラの映像とビクトリアの逃亡
48Hoursより
手作りのチラシを配るなど懸命に母を探したナディアだったが、3ヶ月経っても成果が得られなかった。
そこでナディアは探偵を雇って周辺の防犯カメラの映像を片っ端から買い取り、ついに証拠となる写真を見つけることに成功した。
それは、母と連絡がつかなくなった10月5日10:00に、ビクトリアの運転する車の助手席にアラが寝かされている映像だった。
警察は、この写真のナンバープレートと一致する車をビクトリアが借りていたことを突き止める。
ビクトリアは嘘発見器にかけられることになった。
車に一人で乗っていたか?という質問に対し、「はい」と答えたが嘘だった。
アラの身体がどこにあるか知っているか?という質問に対し、「いいえ」と答えたが、これも嘘。
他のどの質問への答えも嘘だとわかったが、警察はその場でビクトリアを逮捕せず、結果が出るまでの間その場から去ることを許してしまった。
そして嘘発見器のテスト後、ビクトリアは結果を待たずにモスクワに逃げ、ロシアから飛び立った。
そこでようやくロシア当局は殺人の容疑でビクトリア・ナシロワの逮捕状を発行した。
その後、この事件に関与していた警察官とビクトリアが性的な関係にあったことが判明する。
このことがビクトリアの逃亡を助けたのは明らかだった。
ナディアはロシア国家警察のトップに、逮捕に向けて動いてくれるよう直談判した。
遺体発見とアメリカでの追跡
48Hoursより
2015年4月、ナディアは母親の遺体が発見されたとの報告を受ける。
発見された場所は、母の住んでいたアパートから車で3時間の場所。ビクトリア・ナシロワの故郷だった。
遺体は黒焦げで、歯からアラであることを確認した。
インターポール(国際刑事警察機構)は殺人容疑でビクトリアを国際指名手配したが、行方はわからなくなっていた。
傷心のナディアはニューヨークに戻ったが、追跡を諦めてはいなかった。
生前母親から教えられたビクトリアのFacebookを見てみると、なんとビクトリアは逃亡中も写真をアップし続けていた。
ビクトリアは偽名と偽のパスポートを使ってメキシコを経由し、アメリカに飛んでいた。
しかも、きらびやかな生活を写したビクトリアの投稿の数々から、ビクトリアはナディアと同じニューヨークにいることがわかったのだった。
ナディアはこれらのことを警察と入国管理官に報告したが、彼らはビクトリアを見つけ出すことができなかった。
そこでナディアは、元ニューヨーク市警の探偵ハーマン・ワイズバーグに調査を依頼した。
48Hoursより
ハーマンは、ビクトリアの投稿した写真から潜伏先を割り出すことに。
最初に目をつけたのは、この写真。車のヘッドレストのステッチとサングラスに映り込んだダッシュボードから、乗っている車種がクライスラー300であると特定した。
さらに、ビクトリアのFacebookページにあるいいねがブルックリンのロシア人街であるシープヘッドベイ周辺に集まっていることから、1台の車に目をつける。
別の自撮り写真でサングラスに映り込んでいたマンホールや電柱と、車が停められていた場所の景色が一致したことから、ビクトリアの住むアパートを突き止めることに成功した。
そのアパートは、ナディアの住む家から数ブロックしか離れていなかった。
ビクトリアがアメリカで起こした事件
48Hoursより
ビクトリアはアメリカニューヨークでも、金品を奪うことを目的とした事件を複数起こしていた。
2016年6月、出会い系サイト「Mamba.ru」で知り合ったクリーニング店主のルーベン・ボロコフを部屋に招き、料理に薬物を混入させた。
男性は魚を一口食べたところから記憶がなく、2日間意識を失っていたが、一命を取り留めた。
その間、ビクトリアは彼のクレジットカードで2,400ドルを使って買い物をし、さらに現金1000ドルを盗んでいた。
しかし驚くべきことに、事件後も男性はビクトリアのことが好きだと言っていた。
次にビクトリアは、偽のパスポートを入手し再び逃亡するため、「自分そっくりの美女を殺し、彼女の人生になりすますこと」を企てる。
2016年8月、ウクライナ出身のオルガ・ツウィクを毒入りのチーズケーキとスープで殺害しようとする。
自分に似たオルガを見つけ、この犯行を思いついたビクトリア。
彼女が働く美容サロンに半年間客として通い、友人関係になった上での犯行だった。
この事件は、“ドッペルゲンガー殺人”とも呼ばれている。
ところが、オルガが生き残ったことで、ビクトリアの悪魔の計画は失敗に終わる。
ビクトリアの逮捕
48Hoursより
2017年3月20日、ハーマン・ワイズバーグはビクトリアの居場所を通報し、ビクトリアは逮捕されることとなった。
ハーマンがこの人物がビクトリアだと確信したのは、Facebookに投稿されていた写真と同じ靴を履いていたから。
警察官のときの経験で、犯罪者は服を替えても靴はそのままということが多いと知っていたためだった。
このニュースはロシアでも報じられた。
現在ビクトリアは、ニューヨーク市で起こした18人に対する重罪で起訴されており、リカーズ島刑務所に収監されている。
ナディアの母アラの事件についてビクトリアはまだ何も語っていないため、アラの墓石には亡くなった日が刻まれていない。
ニューヨークでの裁判が終わった後、ビクトリアの身柄はロシアに引き渡されるものと見られている。