Mr. Big作戦(ミスタービッグ作戦)とは?
2021年8月3日(火)放送の『世界が騒然!本当にあった㊙衝撃ファイル』では、カナダで起きた殺人事件が取り上げられました。
その中に登場した、<ミスタービッグ作戦>という聞き慣れない言葉。
▼カナダ・ノバスコシア州。最愛の夫と余生をゆっくり過ごすため、この地へ移住してきた46歳主婦が、勤務先で遺体となって発見された。警察が捜査をするも、犯人につながる証拠を得られず事件は迷宮入り…。しかし数年後、DNA鑑定技術の進歩により、事件当時の証拠品から(秘)手がかりを入手!警察は究極の覆面捜査“ミスタービッグ作戦”で犯人を追いつめる。
番組HPより
ミスタービッグ作戦とは一体なんなのか?調べてみました!
▼事件の真相ネタバレはこちら
もくじ
ミスタービッグ作戦(Mr. Big作戦)とは何?
ミスタービッグ作戦とは、カナダ警察で用いられている捜査手法の名称で、今回番組で取り上げられた事件特有のものではありません。
主に殺人事件の未解決事件に使われ、覆面捜査を行います。
1990年代初頭にブリティッシュコロンビア州の王立カナダ騎馬警察(RCMP)によって開発されました。
2008年時点でカナダ全土で350件以上の事件で使用され、その75%以上で成功しています。
ミスタービッグ作戦のやり方は?
ミスタービッグ作戦ではまず警察が容疑者を長期の監視下に置き、性格や習慣を把握し、それらを踏まえたシナリオを作成します。
その後、パンクしたタイヤを修理する・隣に引っ越してくるなど偶然を装って容疑者に接触し、そこから容疑者に贈り物をするなどして交友関係を築いたり雇用を提供したりして親しくなっていきます。
そして、容疑者に架空の犯罪行為に関わる簡単な仕事(荷物の配達など)をさせ、高額な報酬を支払います。
だんだんと仕事の重要性や頻度を高めていき、容疑者が覆面捜査官との信頼関係を強め犯罪組織の中で存在感を増していくよう演出。
最終的に、容疑者は架空の犯罪組織のボス(実際には熟練した警察の尋問者)であるミスタービッグに紹介されます。
そこでミスタービッグは警察から容疑者についての犯罪情報を得たと話し、誘惑や脅迫により未解決事件の詳細を自白するよう誘導するのです。
警察が自白を得るか容疑者の無実を確信すると、それまで容疑者が身を置いていた地下社会は忽然と姿を消し、自白が得られた場合には容疑者は逮捕されます。
このミスタービッグ作戦は、警察が容疑者に強い疑いを持ちながら証拠が不十分な場合に用いられます。
ミスタービッグ作戦のデメリットは?
ミスタービッグ作戦は、多くの事件を解決に導いた一方で、デメリットもあります。
まず第一に、自白に信憑性がない場合があることです。
万一容疑者が無実だった場合、作戦の間に得た新しい贅沢なライフスタイルや新しい人間関係を維持するために、ミスタービッグに嘘の告白をする可能性もあるのです。
次に、捜査における倫理的な問題です。
容疑者を騙し、犯罪組織の一員として活動させる手法には批判の声も多くあります。
また、この作戦では1つの事件の捜査ごとに15万ドル以上のコストがかかるとも言われています。
このような理由から、アメリカ・イギリス・ドイツではミスタービッグ作戦は禁止されています。